「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「n-3系脂肪酸」の続きを紹介します。
〔n-3系脂肪酸〕
健康な成人および脂質異常症患者における無作為化比較試験のメタ・アナリシスでは、魚油の摂取量の増加によるトリグリセライドの低下効果、また無作為化比較試験では食後トリグリセライド上昇に対する抑制効果が得られています。
α-リノレン酸をサプリメントとして負荷して血清脂質の変化を観察した17の介入試験をまとめたメタ・アナリシスでは、HDL-コレステロールが有意に低下しましたが、LDL-コレステロールには有意な変化は認められていません。
しかし、この研究では摂取量は報告されていません。
魚油製剤(カプセルなど)を用いた無作為化比較試験のメタ・アナリシスでは、高用量または低用量によるn-3系脂肪酸の摂取によって、総死亡リスクの抑制は認められず、心血管疾患死亡、心血管疾患発症、冠動脈疾患発症リスクへの影響については結論が一致していません。
冠動脈疾患発症リスクを有意に抑制した報告でも5〜9%の低下でした。
しかし、高トリグリセライド血症あるいは高LDL-コレステロール血症を有する高リスク群では有意に冠動脈疾患発症の抑制効果を認めています。
欧米のコホート研究においては心血管疾患発症に対する魚油の有効性は一定していませんが、我が国のコホート研究では冠動脈疾患の発症が少なく、心血管死亡率も少なくなっていました。
したがって、心血管疾患発症の抑制が期待できます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






