「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「食事性コレステロール」の続きを紹介します。
〔食事性コレステロール〕
コレステロールは、全身の細胞で作られ、血清のコレステロールは肝臓の合成量とリポたんぱく質の取り込み量、腸管での摂取量および吸収量と直接の排泄量、胆汁酸の排泄量によって調整され、肝臓におけるコレステロールの合成は10%程度ですが、肝臓は血液中のコレステロール調節の約7割を担っています。
肝臓は、LDL受容体の発現調節でコレステロールの取り込みを調節している最大の臓器です。
コレステロールの腸管での吸収率は個人によって大きく異なることから、コレステロール摂取量が血清コレステロールに及ぼす影響が大きい者(hyper-responder)と小さい者(hypo-responder)がいることにも留意すべきです。
2013年のアメリカ心臓協会とアメリカ心臓学会の発表では。コレステロール摂取量基準が撤廃されて、その後のアメリカのDietary guideline2020-2025においても踏襲されています。
ただし、このガイドラインは食事性コレステロールの管理の重要性を否定するものではなく、可能な限り健康的な食事パターンを遵守して、できる限りコレステロールの摂取を控えること(as low as possible)を推奨しています。
アメリカで行われた6つのコホート研究のデータをまとめて解析した研究では、コレステロール摂取量の最頻値は200mg/日でした。
日本人の成人のコレステロール摂取量の平均値は男性で366mg/日、女性で317mg/日、脂肪エネルギー比率が23〜27%エネルギーであるのに対して、アメリカではそれぞれ282mg/日と、34.7%エネルギーです。
欧米では総脂質制限が強調されますが、摂取量の違いを踏まえて、我が国では総脂質と食事性コレステロールの両者に注意すべきだと考えられます。
欧州のガイドラインにおいても、コレステロールの摂取基準は300mg/日未満が推奨されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






