「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「その他」を紹介します。
〔その他〕
特に重要なものの他に、栄養素摂取との関連で記述しておいた方がよいものを、以下に整理しました。
*一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸は油脂、肉、乳、魚、卵など多くの動物性または植物性食品から摂取されています。
炭水化物を同量のエネルギーを有する一価不飽和脂肪酸に置き換えた研究では、血清総コレステロールおよびLDL-コレステロールとの有意な関連は示されていません。
脂質異常症患者における高一価不飽和脂肪酸食は、高飽和脂肪酸食よりも総コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロールを低下させて、別の無作為化比較試験でも飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸に置換することで、総コレステロール、LDL-コレステロールを低下させています。
14の無作為化比較試験を解析したメタ・アナリシスでは、飽和脂肪酸の一価不飽和脂肪酸への置き換えによって、LDL-コレステロール低下が観察されましたが、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸との比較では有意差は認められていません。
さらに、15の無作為化比較試験を解析したメタ・アナリシスでは、飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸に置き換えた場合に、血清脂質への明らかな影響は認められていません。
一方、12の無作為化比較試験を解析したメタ・アナリシスでは、高一価不飽和脂肪酸摂取群(12%エネルギーを超えるもの)と低一価不飽和脂肪酸摂取群(12%エネルギー以下)では総コレステロール、LDL-コレステロールに有意差を認めていません。
一価不飽和脂肪酸と心血管疾患との関係においては、死亡や発症リスクに影響を及ぼさなかったとするメタ・アナリシスがありますが、炭水化物を植物食品由来の一価不飽和脂肪酸での置き換え、または飽和脂肪酸を植物由来食品の一価不飽和脂肪酸に置き換えた場合には死亡や発症リスクの低下が認められています。
以上より、一価不飽和脂肪酸摂取の増加で、血清脂質改善の可能性、さらに植物由来食品からの摂取では心血管疾患リスクの低下の可能性がありますが、摂取量が多いと、その効果がなくなることも示唆されており、適正は総エネルギー摂取量の下での摂取が勧められます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






