食事摂取基準45 健康的な体重やBMIに関する歴史的経緯

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から、健康的な体重やBMIに関する歴史的経緯を紹介します。

総死亡率を基にした健康的な体重の検討は、アメリカの生命保険会社が保険契約者のデータを基に発表した理想体重表に端を発しています。

我が国では、靴の厚さ、着衣の重量を補正した松木の標準体重表、保険契約者の最低死亡率を基にした明治生命標準体重表などが提唱されました。

これらは、いずれも身長に対して適切な1つの体重を呈示していました。

我が国では、標準体重(身長(m)×身長(m)×22)が頻用されてきましたが、これは職域健診の異常所見の合計数が最も少なくなるBMIに基づくものであり、30〜59歳の男女を対象に、健診データ10項目〔胸部X線、心電図、上部消化管透視、高血圧、血尿・蛋白尿、AST(GOT)、ALT(GPT)、総コレステロール・トリグリセライド、高尿酸血症、血糖(空腹時、糖負荷後)、貧血〕の異常所見の合計数をBMIで層別に平均し、BMIとの関係を二次回帰したものです。

本来は、30〜59歳を対象に、この検討で用いられた結果因子(10項目の測定項目)に限定して用いられるべきものです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕