「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から推定エネルギー必要量の算定方法を紹介します。
〔算定方法〕
推定エネルギー必要量には、二重標識水法で得られたエネルギー消費量を用いるのが理論的には理想に近くなっています。
しかしながら、全年齢区分にわたって、性別・身体活動レベル別に代表値を定めることができるほどのデータは未だに蓄積されていません。
その一方、過小申告や日間変動の問題のために食事調査で得られるエネルギー摂取量を用いることもできません。
そこで、誤差を有するものの、「体重1kg当たりの基礎代謝基準値と参照体重と身体活動レベル基準値の積を用いる」方法が、全年齢区分にわたって、性・身体活動レベル別に代表値を定めるという食事摂取基準の目的に最も適っていると考えられます。
この方法を採用して、「推定エネルギー必要量=体重1kg当たりの基礎代謝基準値×参照体重×身体活動レベル基準値」として、性・年齢区分・身体活動レベル(カテゴリー)別に、推定エネルギー必要量を求めています。
なお、この式から参照体重を除けば、体重1kg当たりの推定エネルギー量が得られます。
「体重1kg当たりの推定エネルギー必要量=体重1kg当たりの基礎代謝基準値×身体活動レベル基準値」
小児、妊婦・授乳婦では、これに成長や妊娠継続・授乳に必要なエネルギー量を付加量として加えることとしています。
また、乳児の必要エネルギーは別の方法で求めています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕