「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から健康の保持と欠乏の回避の「推定平均必要量、推奨量の策定方法」の後半(推奨量、値の平滑化)を紹介します。
◎推奨量
これまでに報告されている窒素出納維持量には、研究者間で10%から40%程度の大きな幅が見られます。この変動幅の中には個人間変動のほか、個人内変動や実験条件、実験誤差などの研究者による変動も含まれています。
19の研究の対象者235人のデータを解析した結果によると、観察された変動の40%は研究者間の変動であり、残りの60%が各研究者内の変動であると報告されています。
また、同一対象者で繰り返し測定された結果から、各研究者内の変動の2/3は個人内変動であり、1/3が真の個人間変動であり、その変動係数は12%でした。
しかし、変動曲線に偏りがあるので、変動係数を12.5%として、推奨量算定係数(12.5)をすべての年齢区分(乳児を除く)の推定平均必要量に乗じて、推奨量を算定しています。
(推奨量)=(推定平均必要量)×〔(推奨量算定係数(1+2×変動係数)〕
◎値の平滑化
前後の年齢区分の値を考慮して、値の平滑化を行っています。
具体的には、男性(18〜29歳)の推奨量を前後の年齢区分の値に合わせています。
男性(75歳以上)の推定平均必要量と推奨量を前の年齢区分の値に合わせました。
女性(75歳以上)の推奨量を前の年齢区分の値に合わせました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕