「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からたんぱく質の「目安量の策定方法」の乳児の目安量を紹介します。
◎目安量の策定方法
*乳児(目安量)
乳児のたんぱく質必要量は、成人の値を算出した窒素出納法から算定することができません。
ただし、離乳食を始める前の健康な乳児が健康な授乳婦から摂取する母乳は、乳児が健全に発育するのに必要なたんぱく質を質・量ともに十分に含んでいると考えられます。
一方で、離乳期に入った後は、哺乳量が減るとともに食事(離乳食)からのたんぱく質摂取量が徐々に増加してきます。
そこで、乳児(2〜11か月)をさらに3区分して、0〜5か月、6〜8か月、9〜11か月としています。
以上の考え方により、(目安量)=〔(母乳中たんぱく質濃度)×(哺乳量)〕+(食事(離乳食)からのたんぱく質摂取量)としました。
なお、母乳のたんぱく質利用効率と(乳児用調製乳で使われる)牛乳たんぱく質の利用効率はともに70%程度とされています。
したがって、人工栄養で育児を行う場合でも、目安量は母乳で育児を行う場合と同じと考え、両者の区別は設けていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕