「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂質の指標設定の基本的な考え方を紹介します。
〔基本的な考え方〕
脂質は、エネルギー産生栄養素の一種であり、この観点から、たんぱく質や炭水化物の摂取量を考慮して設定する必要があります。
このため、脂質の食事摂取基準は、1歳以上については目標量として総エネルギー摂取量に占める割合、すなわちエネルギー比率(%エネルギー)で示しました。
乳児については、目標量としてエネルギー比率(%エネルギー)で示しました。
また、飽和脂肪酸については、生活習慣病の予防の観点から目標量を定め、エネルギー比率(%エネルギー)で示しました。
一方、必須脂肪酸であるn–6系脂肪酸とn–3系脂肪酸については、目標量を絶対量(g/日)で算定しました。
他の主な代表的な脂肪酸、すなわち一価不飽和脂肪酸、α–リノレン酸、EPA、DHAとコレステロールについては、今回は指標の設定には至らず、必要な事項の記述に留められています。
また、その健康影響が危惧されているトランス脂肪酸についても必要な事項の記述を行いました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕