食事摂取基準90 脂質(脂肪エネルギー比率)2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から脂質(脂肪エネルギー比率)の健康の保持・増進の「欠乏の回避」を紹介します。

〔欠乏の回避〕
◎目安量の策定方法
*乳児(0〜5か月)
この時期は、母乳(または乳児用調整乳)から栄養を得ています。

母乳中の脂肪濃度を3.5g/100gとすると、100g中の脂質由来のエネルギーは、「3.5g×9kcal=31.5kcal/100g」となります。

母乳100g中の総エネルギーは65kcalであるので、脂肪エネルギー比率は48.46%エネルギーとなり、丸め処理を行って50%エネルギーを目安量としました。

「脂肪エネルギー比率(%エネルギー)=31.5/65=48.46%エネルギー」

なお、0〜5か月児の1日当たりの脂質摂取量は、母乳中脂肪濃度(35.6g/L)に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じると27.8g/日となります。

*乳児(6〜11か月)(目安量)
6か月頃の乳児は、離乳食への切り替えが始まる時期であり、6〜11か月の乳児は母乳(または乳児用調整乳)と離乳食の両方から栄養を得ています。

この時期は乳児への移行期と考え、0〜5か月児の目安量と1〜2歳児の目安量(中央値:男児が26.3%エネルギー、女児が26.5%エネルギー)の中間値を用いると、37.4%エネルギーとなり、丸め処理を行って40%エネルギーを目安量としました。

「脂肪エネルギー比率(%エネルギー)=〔48.46+(26.3+26.5)/2〕=37.4%エネルギー」
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕