⑵ 危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
高年齢者の身体機能等の低下等による労働災害の発生リスクについて、災害事例やヒヤリハット事例から危険源の洗い出しを行い、当該リスクの高さを考慮して高年齢者労働災害防止対策の優先順位を検討(以下「リスクアセスメント」という。)すること。
その際、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月10日危険性又は有害性等の調査等に関する指針公示第1号。以下「リスクアセスメント指針」という。)に基づく手法で取り組むよう努めるものとすること。
リスクアセスメントの結果も踏まえ、次の2から5までに掲げる事項を参考に優先順位の高いものから取り組む事項を決めること。なお、リスクアセスメント指針を踏まえ、リスク低減措置については、次のア~エに掲げる優先順位で措置内容を検討の上、実施することに留意すること。
ア 危険な作業の廃止・変更等、設計や計画の段階から労働者の就業に係る危険性又は有害性を除去又は低減する措置
イ 手すりの設置や段差の解消等の工学的対策
ウ マニュアルの整備等の管理的対策
エ 身体負荷を軽減する個人用の装備の使用
取組に当たっては、年間推進計画を策定し、当該計画に沿って取組を実施し、当該計画を一定期間で評価し、必要な改善を行うことが望ましいこと。
リスクアセスメントの実施に当たっては、次に掲げる点を考慮すること。
・小売業、飲食店、社会福祉施設等のサービス業等の事業場で、リスクアセスメントが定着していない場合には、同一業種の他の事業場の好事例等を参考に、職場環境改善に関する労働者の意見を聴く仕組みを作り、負担の大きい作業、危険な場所、作業フローの不備等の職場の課題を洗い出し、改善につなげる方法があること。
・高年齢者の安全と健康の確保のための職場改善ツールを活用することも有効であること。
・健康状況や体力が低下することに伴う高年齢者の特性や課題を想定し、リスクアセスメントを実施すること。
・高年齢者の状況に応じ、フレイルやロコモティブシンドロームについても考慮する必要があること。
・第三次産業のうち飲食店や社会福祉施設等では、家庭生活と同種の作業を行うため危険を認識しにくいが、作業頻度や作業環境の違いにより、家庭生活における作業とは異なるリスクが潜んでいることに留意すること。
・社会福祉施設等で利用者の事故防止に関するヒヤリハット事例の収集に取り組んでいる場合、こうした仕組みを労働災害の防止に活用することが有効であること。
・労働安全衛生マネジメントシステムを導入している事業場においては、労働安全衛生方針の中に、例えば「年齢にかかわらず健康に安心して働ける」等の内容を盛り込んで取り組むこと。
・職場環境の改善等の取組と安全衛生教育を組み合わせて行うことにより労働災害防止の効果が高まることから、職場環境改善等の実施に当たり安全衛生教育と併せて行うことが望ましいこと。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






