2 職場環境の改善
⑴ 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
身体機能が低下した高年齢者であっても安全に働き続けることができるよう、事業場の施設、設備、装置等の改善を検討し、必要な対策を講じること。その際、次に掲げる対策の例を参考に、高年齢者の特性やリスクの程度を勘案し、事業場の実情に応じた優先順位をつけて、施設、設備、装置等の改善に取り組むこと。
<共通的な事項>
・視力や明暗の差への対応力が低下することを前提に、通路を含めた作業場所の照度を確保するとともに、照度が極端に変化する場所や作業の解消を図ること。
・階段には手すりを設け、可能な限り通路の段差を解消すること。
・床や通路の滑りやすい箇所に防滑素材(床材や階段用シート)を採用すること。また、滑りやすい箇所で作業する労働者に防滑靴を利用させること。併せて、滑りの原因となる水分・油分を放置せずに、こまめに清掃すること。
・墜落制止用器具、保護具等の着用を徹底すること。
・やむをえず、段差や滑りやすい箇所等の危険箇所を解消することができない場合には、安全標識や危険箇所の掲示により注意喚起を行うこと。
<危険を知らせるための視聴覚に関する対応>
・警報音等は、年齢によらず聞き取りやすい中低音域の音を採用する、音源の向きを適切に設定する、指向性スピーカーを用いる等の工夫をすること。
・作業場内で定常的に発生する騒音(背景騒音)の低減に努めること。
・有効視野を考慮した警告・注意機器(パトライト等)を採用すること。
<暑熱な環境への対応>
・一般に、高年齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しており、暑さに対する身体の調節機能も低下しているので、涼しい休憩場所を整備し、利用を勧奨すること。
・保熱しやすい服装は避け、通気性の良い服装を準備すること。
・熱中症の初期症状を把握するのに有効なウェアラブルデバイス等のIoT機器を利用すること。
<重量物取扱いへの対応>
・補助機器等の導入により、人力取扱重量を抑制すること。
・不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること。
・身体機能を補助する機器(アシストスーツ等)を導入すること。
<介護作業等への対応>
・リフト、スライディングシート等の導入により、抱え上げ作業を抑制すること。
・労働者の腰部負担を軽減するための移乗支援機器等を活用すること。
<情報機器作業への対応>
・パソコン等を用いた情報機器作業では、照明、画面における文字サイズの調整、必要な眼鏡の使用等によって適切な視環境や作業方法を確保すること。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕






