高年齢者の労働災害防止8

5 安全衛生教育
⑴ 高年齢者に対する教育
労働安全衛生法で定める雇入れ時等の安全衛生教育、一定の危険有害業務において必要となる技能講習や特別教育を確実に行うこと。
高年齢者を対象とした教育においては、作業内容とそのリスクについての理解を得やすくするため、十分な時間をかけ、写真や図、映像等の文字以外の情報も活用すること。中でも、高年齢者が、再雇用や再就職等により経験のない業種や業務に従事する場合には、特に丁寧な教育訓練を行うこと。

併せて、加齢に伴う健康や体力の状況の低下や個人差の拡大を踏まえ、次に掲げる点を考慮して安全衛生教育を計画的に行い、その定着を図ることが望ましいこと。
・高年齢者が自らの身体機能等の低下が労働災害リスクにつながることを自覚し、体力維持や生活習慣の改善の必要性を理解することが重要であること。
・高年齢者が働き方や作業ルールにあわせた体力チェックの実施を通じ、自らの身体機能等の客観的な認識の必要性を理解することが重要であること。
・高年齢者にみられる転倒災害は危険に感じられない場所で発生していることも多いため、安全標識や危険箇所の掲示に留意するとともに、わずかな段差等の周りの環境にも常に注意を払うよう意識付けをすることが有効であること。
・高年齢者に対して、第三次産業の多くでみられる軽作業や危険と認識されていない作業であっても、災害に至る可能性があることを周知することが有効であること。
・勤務シフト等から集合研修の実施が困難な事業場においては、視聴覚教材を活用した教育も有効であること。
・危険予知訓練(KYT)を通じた危険感受性の向上教育や、VR技術を活用した危険体感教育の活用も考えられること。
・介護を含むサービス業ではコミュニケーション等の対人面のスキルの教育も労働者の健康の維持に有効であると考えられること。
・IT機器に詳しい若年労働者と現場で培った経験を持つ高年齢者がチームで働く機会の積極的設定等を通じ、相互の知識経験の活用を図ること。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕