〔2026/3/24〕
人を呼び寄せるために着目される存在は、「客寄せパンダ」と表現されることがあります。
東京の上野動物園のジャイアントパンダは、まさに来園者を集める存在で、パンダを見に訪れた人が他の動物も見る、お土産を買う、飲食もするということで、全体的に売り上げが増えました。
上野動物園だけでなく、上野公園の各店の売り上げも増え、上野公園の近くの店舗、デパートなども増収となりました。さらに上野駅を利用する人も増えて、地域全体に貢献することになりました。
これを例として、商品販売やサービスの世界でも「客寄せパンダ」を作り上げることが戦略として広まりました。
「客寄せパンダ」のほかに「人寄せパンダ」という言葉もあって、どちらが先なのかが話題になることもあります。
パンダが初来日したのは1972年のことで、「人寄せパンダ」は1981年の流行語なので、「客寄せパンダ」が先だと思われがちです。
しかし、先に世の中に登場したのは「人寄せパンダ」です。
この言葉を初めて使ったのは、中国からのパンダ来日に一役買った田中角栄総理大臣で、自民党の演説会で「あえて人寄せのためのパンダになろう」と言ったことから世に広まりました。
このことは本人から直接聞いています。
「たとえ晒し者になっていても、頼まれれば、どこにでも行く」という意味で発せられたもので、ただ人数を集めればよいということではなくて、目的に合致した人でなければ集まってところで、すぐに消えてしまう“烏合の衆”ともなりかねません。
同じ手法を用いて、一定期間に目標数に達すれば、それでよいということではないのは歴史が証明していることで、SNSで集客した人たちが、どうなったかを見ればわかることです。
集まってくれた人が、さらに人を集める原動力になっていくのが「人寄せ」の重要ポイントであり、どのような人が初めに集まるかが「人寄せパンダ」となるか、結果として「客寄せパンダ」となるかの分かれ道となります。
「たとえ晒し者になっていても、頼まれれば、どこにでも行く」と言い切る人が、何を目指しているのか、何を求めているのかを的確に把握することが重要ということです。
〔小林正人〕






