公益財団法人への移行については前回(日々修行251)、制度の話を中心に一般的な範囲で書かせてもらいましたが、その中で初めから無理なところが妙なコンサルタントに騙されたということを触れました。
公益財団法人に移行するための条件は当然あって、これをクリアしていないところは、どんなに力(政治力?)を使っても無理なことは無理です。
これまで財団法人として世の中に必要で、かつ有益な活動をしてきたのか、健全な運営をしてきたのか、不祥事を起こしていないのか(大相撲の協会が例に出されることが多い)といったことも審査されるのは当たり前のことですが、もう一つの条件がクリアできずに、一般財団法人に移行する選択しかなかったところもありました。
その条件は、一つの業界で一つだけの存在と活動ということです。全国団体であって、そこを霞が関の行政が指導すれば、業界全体に指導が行き届くということで、ここが大きなハードルになっていました。
複数の財団法人があった業界では、どこが公益財団法人になって、どこが一般財団法人になるかということが議論されたこともありました。実際には、どこも公益財団法人として認められなくて、すべてが一般財団法人になったという業界が相次ぎました。
財団法人だけかと思っていたら、同じ業界で同一の活動をする社団法人があったので、どちらも公益になれずに、一般財団法人、一般社団法人に移行したという例もあります。これは巡回健診の推進団体の話です。
私が関わったのは医学系と運動系の公益財団法人の移行のうち、ここでは運動系について触れておきます。医学系は、自分が主導したという人が多く存在していて、事実を書いても、まるで嘘をついている、話を盛っていると言われる世界だからです(実際に言われたこともあります)。
運動系では、私は財団法人日本健康スポーツ連盟の理事を務めていたことと、公益財団法人化のサポートを理事長から依頼されていたこともあって、特に関わることになりました。
公益財団法人日本健康スポーツ連盟は、厚生労働大臣認定運動型健康増進施設の調査と指導を行う唯一の財団法人です。当時の理事長は、スポーツや運動の多くの団体(財団法人、社団法人)の役員も務めていたことから、他の団体の公益法人化にも関わることになりました。
理事長はNPO法人日本ワールドゲームズ協会の当時の副会長で、同協会の運営は公益財団法人笹川スポーツ財団が担っていました。
現在の日本ワールドゲームズ協会の会長は、公益財団法人JAPAN BOWLING(以前は公益財団法人全日本ボウリング協会)の名誉会長(前会長)です。
公益財団法人日本健康スポーツ連盟では、私は健康運動指導士へのサプリメント講習を担当していましたが、それが岡山の地では環太平洋大学につながっています。
公益財団法人も公益社団法人も、それまでの省庁の所管から内閣府の所管になりました。このことが、長らく内閣府の調査・情報の部門と付き合ってきた私にはプラスの影響が出ることになりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕