学びの伴歩15 将来を支える人材への期待

少子化の問題は今に始まったことではありませんが、年間に生まれる子どもの数は2024年の調査で70万人を初めて割りました。90万人を割ったのは2019年、80万人を割ったのは2022年だったので、少子化の勢いは急速に進んでいます。

国立社会保障・人口問題研究所が2023年に発表した将来推計では2024年の出生数は75万5000人で、70万人を割るのは2038年とされていました。それよりも14年も早く訪れてしまったわけです。

今さら子どもが多かった団塊の世代の状況を話しても仕方がないとの考えがあるかもしれませんが、団塊の世代の1947年から1949年までの3年間で約809万人が生まれていて、ピークの1949年には約270万人も生まれていました。

また、団塊ジュニア世代(団塊の世代の子ども)では1971年から1974年に、毎年200万人以上(ピークの1973年には約209万人)にも達していました。

これだけ少なくなると、将来の日本を支えるための人材が確保できるのか、という不安も高まってきます。そこで日本人の人口の減少の数字を見てみると、2024年の日本の総人口は1億2380万人と前年より55万人ほど減りましたが、日本人だけの人口では89万人8000人が減りました。これは過去最大の減り幅です。

厚生労働省は、2040年には全労働人口の20%が医療と介護の分野で働かないと日本の社会が支えられなくなると発表しています。わずか15年後のことです。

これらのことから、これまで活躍が見込まれてこなかった事情によって充分に学べなかった方々、発達障害の特性がある方々の活躍の機会が必要となっていることは明らかで、そのために学ぶ場を作る活動に早急に取り組む必要があるとの考えが「学びの伴歩」の根底には流れています。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕