予約もなしに店に来る客、通りすがりの客のことを「フリーの客」と呼んでいる人がいます。飲食店でも客を区別するのにフリー(free)が使われることがあり、初めて店に来た人を指すために使われています。
飲食店というか、接客がある店では、接客担当を指名するのは「指名客」、指名がないのは「フリー客」という使い分けをされています。
予約も紹介もなくて、ふらりと入ってくる客は、正しくは「振りの客」といいます。これは江戸時代から(地域によっては、それ以前から)使われてきた言葉です。
予約をしていなくても紹介があれば、そして客席や店側の対応が可能な状態であれば受け入れるものの、それ以外はお断りという接客文化が歴史のある地域では綿々と続いています。
言葉の雰囲気と意味合いが似ていることが、「振りの客」を「フリーの客」と間違って使う要因となっているわけです。
英語と日本語が混じった、間違った使われ方をしている言葉はあるのですが、その代表的なものが「T字路」です。これは「ティーじろ」と読まれて、英文字のTの形の道路のことを指しています。
あまりに普通に使われていることから、これが正解のように思われることがあるものの、間違いが、いつしか正しい言葉として認識されてしまった代表例のようなものです。
正しくは「丁字路」で、漢字の「丁」の形をした三叉路のことです。「T」と「丁」で形が似ているだけでなく、発音も「ていじろ」と似通っているので、混同されることが多いのも仕方がないことです。
道路交通法には「丁字路」と書かれています。しかし、道路標識に描かれているのは「T」の形なので、いつしか「T字路」が正しいと認識されるのかもしれません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕