水と健康6 水の力で便通をよくする

寝起きにコップ1杯の冷たい水を飲むことで便通が促進されることは、よく知られています。その理由ですが、体の中には「胃‐大腸反射」という仕組みがあって、胃が刺激されると、その刺激が神経を伝わって大腸を刺激しして大腸、中でも便通に直接的に関わる直腸の蠕動運動を促して、排出しやすくする仕組みがあるからです。

この反応は食べ物を食べたとき、よく噛んだときも同じように起こりますが、冷たい水は胃を強く刺激しやすく、直腸の動きも盛んになります。

直腸にたまっている便は、便秘が続くと直腸壁から水分が吸収され続けているために、通常の便の状態よりも固くなって、ますます排出されにくくなります。そこで水分を飲むことで便が軟らかくなって出やすくなる、という説明をされることもあります。

しかし、水は飲んで、すぐに直腸の水分が補われるようなことはないので、この理由で便通がよくなるわけではありません。

水分が不足すると大腸の水分も不足することになるので、常に水分を多めに飲むことは便秘の解消に役立つといえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕