腸の健康づくり3 善玉菌のエサになる糖質の種類

便秘になると肌荒れや肩こり、腰痛などが起こりやすいといいます。これは悪玉菌によって発生した有害物質、いわゆる毒素が大腸から吸収されて、血管を通って全身を回っているからだと考えられています。

便通がよくなくて、有害物質が大腸に長く滞留していると、これらが大腸壁の粘膜を刺激するだけではなくて、大腸から吸収されるようになります。

小腸までは、食べたものは水分の多いドロドロの状態で運ばれていきます。小腸でも徐々に水分が吸収され、大腸では大きく水分が吸収されて、おなじみの適度な硬さと量の便になります。水分を吸収する大腸壁の粘膜は、悪玉菌によって作り出された有害物質を通過させてしまうために、水分と一緒に有害物質も吸収されていきます。

吸収されて血液に入った有害物質は、血管を通って肝臓に運ばれ、肝臓で解毒が行われるわけですが、これが続くと肝臓に負担をかけることになります。肝臓で処理しきれなかった有害物質は、再び血管に入って、全身を回っていくことになります。便秘をしたときに肌荒れや肩こりなどが現れるとしたら、肝臓だけでなく、毒素が皮膚にも回り、さらに全身の臓器にも負担がかかっていることが考えられます。

こういった危険を避けるためには、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らしていけばよいわけですが、そのための方法として最も有効となるのは食事の見直しです。

現在の食事は、日本人の伝統的な食事から大きく変化して洋風化が進み、動物性のたんぱく質と脂肪の摂取が多くなっています。これらの摂取量は、昭和30年の約3倍にもなっています。終戦直後の昭和20年ころと比べると5~6倍にもなっています。

善玉菌も悪玉菌も、私たちが食べたものの残りを栄養源(エサ)としていますが、動物性のたんぱく質と脂肪は悪玉菌の格好のエサとなっています。これに対して善玉菌のエサとなっているのは主に糖質、乳製品(乳糖)、オリゴ糖です。オリゴ糖は善玉菌の代表であるビフィズス菌が最も好むエサです。

ビフィズス菌は善玉菌そのものなので、ビフィズス菌入りのヨーグルトは腸内の状態を整えてくれます。ビフィズス菌入りのヨーグルトには、オリゴ糖が付けられているものが多くみられます。

オリゴ糖は大豆やほかの豆類に多く含まれていますが、こういったものを多く摂るようにすれば、よりビフィズス菌を増やしていくことができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕