腸内で善玉菌が増えると、免疫力が高まっていくことが知られています。免疫というのは、細菌やウイルス、がん、有害物質などを異物と認識して攻撃、破壊する力のことで、これが高まるほど病気になりにくくなるというわけです。
私たちにとっては、腸内細菌も体の一部ではなくて異物です。善玉菌も悪玉菌も、もともと体の中にあったわけではなく、母親の皮膚や食べ物を通じて腸の中まで入ってきたものです。
善玉菌が増えると、免疫力が活発に動いて、白血球の一種のマクロファージが善玉菌を食べて、破壊していきます。マクロファージは善玉菌が多いと悪玉菌よりも勢いよく食べるといわれます。
マクロファージは、ただ有害物を破壊するだけではなく、破壊したものの情報を外側に出して、全身に伝えて、免疫細胞が活発に働くようになるわけですが、免疫細胞の白血球、リンパ球は常に活発に働いていたほうが強化されていきます。
つまり善玉菌が増えることで免疫力は高まっていくことになります。常に戦っている軍隊が強いのと同じだということができます。
マクロファージが善玉菌を食べるということは、善玉菌を常に増やすように心がけないと、善玉菌が減って、悪玉菌が優勢になりかねないということです。
悪玉菌によって、腸内で有害物質が多く作り出されると、それを排泄しようとして下痢が起こりやすくなります。下痢になると水分や有害物質だけでなく、腸内細菌も多く排泄されます。
善玉菌も悪玉菌も同じように排泄されますが、善玉菌は腸内環境が酸性傾向であったり、腸内の温度が高めであることなど増えやすい条件があります。
それに対して悪玉菌は、悪環境に強いので、勢いよく増えやすくなっています。そのため、善玉菌が減ってしまいがちです。便秘の解消に下剤を使った場合も同じようなことが起こります。
腸内細菌が減ると、そのあとに入ってきた悪玉菌が腸内で増殖していきます。もしも有害な悪玉菌が多く入ってきたら、善玉菌の増殖が抑えられてしまうことになるので、下痢のときには、とくに善玉菌を増やすようにすることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕