腸の健康づくり14 健胃薬と制酸薬

胃腸薬には、総合胃腸薬のほかに、健胃薬、制酸薬、消化薬、整腸薬、止瀉薬などがあります。

総合胃腸薬は、食前・食後ともに胃が痛むときに適しています。総合の名のとおり、いろいろな痛みや不快感を感じるときに飲んで効果があるように、複数の薬剤が組み合わされて使われています。

健胃薬は、唾液の分泌を促したり、胃の機能を高める効果があるので、胃の調子が悪い、つまり胃の働きが低下したときに使用します。食欲不振や胸やけ、アルコールの飲み過ぎによる不快感があるときに飲むことで、症状を抑えることができます。

また、ビール酵母にも健胃薬に近い効果があるとされています。ビール酵母は、ビールを発酵させる酵母で、お店で飲むことができる生ビールには豊富に含まれています。ちなみに、お店の生ビールから酵母を濾過して取り除いたものがビンや缶の生ビールとなっています。

お店の生ビールは頑丈なアルミ缶で保存されるので破裂することはありませんが、ビンや缶の生ビールで酵母が残っていると破裂しかねません。そのため、ビンや缶の生ビールは発酵したあとに酵母を取り除いています。

制酸薬は、胃酸の過剰分泌による障害を緩和する薬です。胃酸は、食べ物や口から入ってきた菌などを殺菌するために強酸性になっています。胃壁が健康な状態で、粘膜から粘液が充分に分泌されていれば、それに守られて酸の強い刺激を受けることはありません。

しかし、胃の粘膜の抵抗力が低下していたり、胃液が過剰分泌したりすると、胃壁が酸の刺激を受けます。そして、炎症、痛み、不快感(胃重、げっぷ、むかつき、もたれ、胸やけ、膨満感)などが現れます。空腹時に胃腸などの症状が出たときは、胃酸の刺激による症状が疑われるので、制酸薬が使用されます。

制酸薬は、①胃液の過剰分泌を抑える、②胃液の酸を中和する、③胃粘膜を保護する、の3種類の効果に大きく分けられます。

また、スイッチOTCの胃腸薬のH2ブロッカーは胃酸の過剰分泌を抑制する働きがあるので、なかなか治まらない症状のときに使われます。スイッチOTCは医療用医薬品から一般医薬品になったもので、購入には薬剤師の指導が必要とされています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕