セカンドステージ55 セカンドライフとの違い

セカンドステージの活動をNPO法人(特定非営利活動法人)として実施するために設立の相談を自治体にしたときのこと、担当窓口にセカンドステージの意味について聞かれました。

「退職者を対象とした活動か?」「セカンドライフとの違いは何か?」という質問がありましたが、定款案にも申請の書面にも「退職者」という用語は使っていなくて、対象者を限定する(狭める)つもりもない活動だと説明しました。

セカンドステージの発想としては、セカンドライフを少しだけ参考にしたところがあります。それは真似をする、エッセンスをいただくということではなくて、従来の活動の限界点を明らかにするためのモデルとして使いました。

セカンドライフは企業や団体の退職者を対象として、組織から離れた人の生き甲斐づくり、健康づくりを目指して設立されたもので、その資金は企業や団体から拠出されています。

企業や団体はOB会などを設けて、退職後にもつながりを持って広く支援してもらう活動を以前から続けてきました。

それは意義があることと認められるものの、現役時代の上下関係や仕事上の関わりを引きずるところがあり、活動に参加したくても、元の職場の方々とは関わりたくないという声は以前からありました。

そこで大手の企業や団体が資金を出し合って、退職後にも心身ともに健全でいられる場を設けるという考えで、セカンドライフの法人が設立されました。

私は設立そのものには直接は関わらなかったのですが、生き甲斐づくりの活動の健康関連の学びと実践、情報提供を行ってきました。

長生きの時代になって、退職後の人生が長くなるにつれて、協会の活動に参加する人が増えてきて、そこには出身企業・団体の方々も増えてきました。

また、所属していた企業・団体との付き合いがあるところとの関係性もあって、結局は過去の関係を気にしながら参加することに息苦しさを感じるとの声も増えてきました。

そこがセカンドステージの設立を目指したときに考えを及ばせたところで、以前の関係があったとしても、それを引きずらない仕組みを作ることが重要でした。

団体の組織体制は、どのように考慮しても似たような形になってくるのは仕方がないことで、それならば誰かが作った仕組み、誰かの意向で左右される仕組みではなくて、参加する人たちが自ら作り上げていくことを基本としてセカンドステージの活動を組み立てていくことにしたのです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕