日々修行281 転ばぬ先のポール(杖)

歩くのは仕事のうちということを前回(日々修行280)書いたのですが、普通のウォーキングだけしかできない状態に近づいてきました。普通のウォーキングではないのは、どんなな歩き方かというと、それはノルディックスタイルのウォーキングです。

ノルディックスタイルというのは、ポールを使って歩く方法で、発祥は北欧で始まったクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとしてのウォーキングでした。それは一般にはノルディックウォーキングと呼ばれるスポーツ感覚の歩き方で、2本のポールを使って、グイグイと勢いよく前進していく方法です。

これに対して、ポールを姿勢の安定と安全な歩行のために使う、どちらかといったら高齢者対応の方法があり、これは一般にポールウォーキングと呼ばれています。これは日本ウオーキング協会の当時の会長によって開発された日本発祥のウォーキング法です。

ポールウォーキング(全日本ノルディック・ウォーク連盟はノルディック・ウォークと命名)は、ポールを用いて上半身も使って歩くことと、ポールなしの状態よりも正しい姿勢で歩けることからエネルギー代謝がよくて(一般には20%アップ)、さらに足(膝)の負荷も弱めることで、まさに高齢者向けになっていました。

「歩かないと歩けなくなる」「早く歩かないと早く歩けなくなる」ということをウォーキングの指導の場で、私も言っていたことですが、今回のお題の「転ばぬ先の杖(ポール)」は、そうならないための積極的な活用を意味して使いました。

それも70歳を境に、やりにくくなってきました。これは歩いたせいではなくて、長年の文章書きの仕事のせいで、ポールを手にして歩くのが負担になってきたからです。

手首の使いすぎによる炎症、指の筋(すじ)の損傷は以前からあったのですが、手首は右だけ、指の筋は左だけだったところから、今は両方に症状が出ていて、パソコン作業もペンを持つのも(時には箸を持つのも)きついことが多くなってきました。

以前は痛む部分を使わないようにして休めていれば回復していたのですが、休めなければならない期間が徐々に長くなり、今では休んでも回復しにくくなっています。そして、最近のことですが、「年齢からして回復は難しい」と整形外科医から言われました。

今は楽しみ程度で、両手に負担をかけない程度のポールウォーキングにしています。

「転ばぬ先のポール」は足と手の状態だけでなく、目の状態からも言えるようになってきました。私は閃輝暗点(せんきあんてん)という視野にモザイク状のものが見えるというか、モザイクのためによく見えなくなることがあり、それが1日のうちに何度も現れるようになっています。その原因は目で見たものを画像化する部位の脳の後頭葉の血流低下です。

いつ現れるか、どんな状態になるかわからないことから、運転免許は60代半ばで返納しました。交通事故(人身事故)の加害者になりかねないと感じたことが大きかったのですが、周りが暗くなってきた時間帯に歩いていて、閃輝暗点が出ると足元が怪しくなってきてしまいます。

そんなときの有難い存在が「転ばぬ先のポール」で、ポールを使った四足式歩行なら安心して歩くことができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕