広報の手法として紙のリリースを使うという古臭いと言われる方法を、あえて今も使っているということを前回(日々修行284)紹介しましたが、実際に何をしていたのかということは、これまで明らかにしてこなかったところがあります。
それは出し惜しみと言われればそれまでなのですが、東京での全国広報の手法は、まだ地方では形を変えて使えていました。
しかし、食品の全国広報の手法であり、これを地方はメディアでは充分に使えなくなってきたこと、そして古希の年齢になって、このようなことを私が手掛けることはないだろうとの思いもあって、書いておくことにしました。
問い合わせがあるのは承知していますが、その返答は早いもの順ではなくて、役立つところにだけ伝えて終わりにしようと考えています。
私が食品の全国広報を全国メディアを用いて手掛けたのは、2002年の納豆広報でした。翌年には豆腐の全国広報、その翌年には豆乳の全国広報と続き、数年間は3つの広報が重なっていましたが、どれも同じ材料(大豆)で、同じような健康効果であってので、広報リリースの発行は、それほど大変なことではないと考えていました。
実際には、それは大間違いであって、同時にメディアに全国広報を仕掛けていくには、別の切り口が必要で、各メディア、それぞれの番組や記事に違いを出すのは、それなりの苦労がありました。
豆腐も豆乳も納豆と同じ手法の全国広報が望まれていたので、また要望が途中で変わることはなかったので、それだけメディアに“刺さる”手法であったとの評価を受けています。
年間を通じてのリリース発行は、1月スタート、4月スタートというのが普通のことですが、食品の広報は記念日を絡めていました。そこで記念日のイベントに向けて1年をかけて計画的に発行していくので、3つの広報が重なっても、忙しさが重ならないと考えていました。
全国納豆協同組合連合会の「納豆の日」は7月10日、日本豆腐協会の「豆腐の日」は10月2日、日本豆乳協会の「豆乳の日」は10月12日でした。2つは10日しか離れていないので、どうしても工夫が必要ですが、豆乳は季節的なところは関係がない飲料だったので、なんとか違いを出した広報ができました。
また、すでに納豆と豆腐で大豆の加工食品の健康効果は充分に伝えてきていたので、必死になって健康効果を伝える必要がないということも、広報としては助かる部分ではありました。
それでも毎月1回の広報リリースの発行は、今とは違って、ほぼアナログの手法が中心であったので、リリースのメディアへの到着は、初旬、中旬、下旬と分けて、メディアの担当者が新たな気持ちでリリースを見てもらえるように気配りをしていました。
これは気配りだけでなくて、アナログ広報は手間がかかるので、自分たちの忙しさを考えてのことでもありました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕