「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から、発症予防の基本的な考え方を紹介します。
健康的な体重を考えるためには、何を持って健康と考えるかをあらかじめ定義する必要があります。
「理想(ideal)体重」、「望ましい(desirable)体重」、「健康(healthy)体重」、「適正(optimal)体重」、「標準(standard)体重」、「普通(normal)体重」など、健康的な体重を表す定義もさまざまである上に、必ずしも一定でない場合もあります。
このため食事摂取基準では、体重ではなく、総死亡率をできるだけ抑えられると考えられるBMIを基本として、BMIと主な生活習慣病の有病率、医療費の支出状況、高齢者における身体機能低下、労働者の退職との関連を考慮して、目標とするBMIの範囲を定めることにしています。
なお、総死亡率をアウトカムとして乳児や小児に用いるのは適切ではなく、妊娠時の体重管理に用いるのも適切ではありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕