高齢化が大きく進む中で、ボランティア活動は社会貢献だけでなく、ボランティアに取り組む人のメリットについて議論されることが多くなってきました。
シルバー人材センターに参加する人は、単に稼ぐといった意識ではなくて、出歩くこと、身体を動かすこと、他の人に役立つことをすることによって、心身ともに健康になるという考え方があります。
これはシルバー人材センターだけでなく、ボランティアに参加する人を増やすための手法の一つとして掲げられることがあり、その研究に取り組んでいる大学などの研究機関も増えています。
「健康になるボランティア」というと、収入よりも健康を重視して使われるキーワードとなっていて、稼ぎは少なくても健康になれるので参加しよう、収入なしでも健康になれるならよい、むしろ交通費を支払ってでも参加しようという人も珍しくはなくなってきました。
健康講座で歩数を増やすことが健康維持に有効ということを知り(高齢者は1日に8000歩)、そのための方法の一つに“孫と遊ぶこと”があったという例があります。
孫と遊べる環境にはないことから、子どもを預かる施設でのボランティアを始めたところ、8000歩は確保できることから、「これが健康になるボランティア」ということを話されていました。
学びの世界でも、たとえ座学であっても講師として教えにいくことでも、講師と生徒の間で世話をする人でも、教えること、教える場にいることで身体を動かす機会が増えていきます。
また、積極的に出向いて参加することで意欲が高まって、実際に身体を動かして元気になること以上に精神的な健康につながるということは数多く見聞きしてきました。
このようなことから、ボランティアを募集するときには、「健康になるボランティア」という発想で取り組むことも大切になってくるということです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕