食のリテラシー20 免疫細胞の栄養源

栄養素は全身のすべての細胞に取り込まれて、細胞の中で代謝(生化学反応)を起こすことによってエネルギーを発生させています。そして、発生したエネルギーを使って、それぞれの細胞の働きをさせています。

これが細胞の代謝の基本で、それは身体内にある赤血球や白血球なども同じことです。赤血球は栄養素が不足したからといって、大きく活動(全身に酸素を運ぶ機能)が低下することはないとされているのに対して、白血球は栄養素の不足によって大きく低下することが懸念されています。

白血球は免疫細胞とも呼ばれていて、体内に侵入した病原体などから身体を守る役割をしています。白血球はリンパ球、単球、顆粒球に分類されています。中でも重要な働きをしているのがリンパ球(B細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞など)です。

免疫細胞の働きが高いかどうかは、白血球の数が指標とされています。数が多ければ、それだけ免疫が高い(免疫力が強い)と判断されているわけです。

ところが、実際には栄養状態が重要であり、エネルギー源が不足すると免疫細胞の機能が低下することにもなります。

全身の細胞のエネルギー源は、糖質、脂質、たんぱく質だけですが、免疫細胞の主なエネルギー源となっているのは糖質のブドウ糖です。糖質制限をして血液中のブドウ糖(血糖)が不足するようなことになると、免疫が低下することになります。

不足をさせてはいけないわけですが、それなら血糖値が高い状態では免疫が高まるのかというと、そうではありません。糖尿病と診断されるほどに血糖値が高まると、逆に免疫は大きく低下していきます。

このことについては次回(食のリテラシー21)で紹介します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕