肝機能の基礎知識10 肝機能改善の食事のポイント

肝機能を改善するための食事のポイントとして、以下のことがあげられます。

①ご飯のおかわりに注意
主食の適量は、その人の1日に必要なエネルギー量によって異なります。
30~50歳代の男性の場合には、1日に必要なエネルギー量の目安は2000~2200kcalとなっています。軽度のアルコール性肝障害で肥満でない人は、アルコール飲料を飲む場合には適量(日本酒なら1合)までとして、そのエネルギー量の分を差し引いて(日本酒1合で約200kcal)、食事のエネルギー量を1800~2000kcalとします。過栄養性脂肪肝の人や肥満の人は1600~1800kcal程度に制限します。

1日のエネルギー量が1600kcalの場合では、ご飯は1食150g(茶碗1杯)が適量となります。おかわり1杯で約250kcalのエネルギー過剰になります。

②主菜は1食1品のみにする
主菜に使う食品の一食分の目安量(肉や魚は60~80g)が、ほぼ1品分となっています。居酒屋風に何品も肉や魚の料理があるのは、主菜の摂りすぎとなり、エネルギー過剰となります。肝臓の再生のために必要なたんぱく質は主菜1品でまかなうことができます。

③油はメリハリをつけて使う
油の1日分は15gで、三食それぞれに油を使うときには一食当たり5gが目安となります。炒め物の油は2人分で大さじ1杯弱(10g)、ドレッシングは1人分10g、マヨネーズは7gで油の量は5gになります。一食の中で油を使う料理は、主菜か副菜のどちらか一つにします。

揚げ物は油の吸収量が多くなります。揚げる素材によっても異なるもののり、天ぷらやフライでは一人前で10~15g程度の油を吸っています。これだけで1日の量をほぼ使うことになるので、揚げ物を食べる日は他の食事には油をなるべく使わないようにします。また、衣をなるべく少なくして、天ぷらやフライよりもから揚げにすると、吸収量が少なくなります。

④野菜・キノコ・海藻類を多く摂る
野菜、キノコ、海藻類は、主に副菜の1~2品で摂るようにしますが、主菜の添え物や汁物でも多めに摂るようにすると、一食で野菜、キノコ、海藻類を合わせて100~150gを摂ることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕