自ら学び、前進していくためには、そこに行き着くまでの伴歩してくれる人が必要です。伴歩をする必要がないくらいになってくれたら、そこから先は手出しをしないのが大切だということは多くの書籍などに書かれています。
それでよいのかという疑問に対して、解答になるような言葉として巡り合うことができたのが、お題の「任せて任せず」です。これは経営の神様とも称された松下幸之助さんの言葉です。
この言葉は、書籍のゴーストライターを務めていたときに、ご本人から聞きました。
任せるレベルに達したら、任せるようにするのは当然であっても、その後が重要で、任せたら報告を聞き、任せた内容が達成されるように助言・指導をしていきます。
これが責任者の務めであり、それは伴歩する立場でも同じとの考えです。仕事は実践しながら学ぶことであり、その実践のために別に学ぶこと(座学や自習も含めて)が必要になってきます。
継続的に進めていく手法として、これまではPDCAサイクルが重視されてきました。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の4つのステップを繰り返していく手法です。
これに対して、現在ではOODAループが重視されていて、観察(Observe)、方向づけ(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)を繰り返す手法です。
PDCAに似ているようでも、変化の激しい時代には強みを発揮する手法とされています。
その激しい変化に対応できる手法は、「任せて任せず」ということの考えと合致していると、今さらながら松下幸之助さんの発想が着目されています。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕