食のリテラシー22 善玉菌の特性

腸内細菌の善玉菌は多いほうがいい、という認識が一般にはあって、善玉菌を増やす効果があるものを摂取しようと頑張っている例も少なくありません。

腸内細菌と呼ばれるのは乳酸菌やビフィズス菌が代表的なものですが、善玉菌が腸の調子に大きく影響するのは大腸です。小腸と大腸で働く腸内細菌は違っていて、乳酸菌は小腸で活性化して増殖していきます。

乳酸菌の活性化には酸素が必要で、小腸には酸素が多く存在しています。大腸には酸素が少なくて、そこで活性化するのはビフィズス菌のほうです。それを考えると、善玉菌を増やすためには何を摂ればよいのかがわかります。

では、ビフィズス菌が含まれているヨーグルトやサプリメントを摂れば善玉菌が増えてくれるのかというと、これは正解でもあり、不正解でもあるという不明瞭な回答になってしまいます。

ビフィズス菌などの大腸で活性化する善玉菌は、外部から摂取したものは、大腸内では1〜2日、長くでも3日とされています。口から摂ったものが、そのまま大腸に定着するわけではないのです。

では、定期的に摂り続けないと意味がないのではないかと考える人もいるかと思いますが、善玉菌が多くある状態では、善玉菌によって作り出された酸性成分が多くなっていきます。善玉菌は酸性環境で活性化するので、外部から善玉菌が取り込まれると大腸内に棲息している善玉菌が増えることになります。

また、大腸内に棲息している善玉菌には栄養源(エサ)が必要で、その栄養源を摂ることも大切になります。ビフィズス菌の栄養源はオリゴ糖です。オリゴ糖は胃で消化されず、小腸で吸収されず、大腸まで届けられる特徴があります。

こういった特性も踏まえて、何を摂るかを決めることが必要だということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕