体内の尿酸の量は、通常では一定に保たれていて、1日に作り出された尿酸量とほぼ同量の尿酸が排泄されてバランスが取れています。
通常では、体内で合成される尿酸は約500mg、体内で作られる尿酸は約600mg、食べ物から約100mgで、尿中に排泄されるのは約500mg、便中に排泄されるのは約100mgとなっています。
新陳代謝によって古い細胞が分解されるときに、細胞の中の核酸に含まれているプリン体が出てきますが、体内で発生する量としては、これが一番多くなっています。
プリン体は、エネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)の中にも存在しています。ATPはエネルギーとして使われていって、そのあとに元の状態に戻ります。
しかし、急激にエネルギーを使ったときや無酸素運動をしたときには元には戻らず、尿酸に変化します。
そして、痛風に一番結びつきやすいのが三つ目の理由で、プリン体が多く含まれる食品や飲料をたくさん摂ることでリスクが高まります。
プリン体を多く含む食品の中で、肉類、内臓類、魚介類の摂りすぎは高尿酸血症や痛風になりやすく、同じ高プリン体食品であっても干ししいたけなどの野菜類は影響が低くなっています。
アルコール飲料の中にはプリン体が含まれ、中でもビールにはプリン体が多く含まれています。最近はプリン体カットのビールが登場しています。
低プリン体であっても、ビールは尿のpHを下げて尿酸を溶けにくくさせ、排泄が抑制されます。ビール以外のアルコール飲料であっても、アルコールは尿酸の産生を高めたり、尿酸の排泄を抑制するので、尿酸値が高まりやすくなるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕