発達特性40 学習障害の併存症と二次的な不適応

学習障害がある子どもは、注意欠陥・多動性障害や自閉症スペクトラム障害を合併することがあります。落ち着きがなかったり、友達とのトラブルを起こすタイプの注意欠陥・多動性障害や自閉症スペクトラム障害であれば目立つことから、教師や保護者も気づきやすくなっています。

しかし、不注意が主な症状であったり、友達との葛藤があっても言動に出さないタイプであると、学習障害だけに目が奪われることになります。

学習障害の二次的な不適応については、学習障害がある子どもはいくら頑張ってもうまく読めるようにならない、書けるようにならない、計算が上達しないことが自分でもわかりやすいところがあります。

そのためにイライラしたり、学習への意欲をなくしがちになります。

宿題を終えることができないことから、中には登校のしぶりや不登校になることもあります。学習障害のタイプに応じた学び方を工夫して、二次的な不適応を未然に防ぐことが大切になります。

医療的な支援として、学習障害に対する診断と治療は進んでいます。読字障害については診断と治療によって症状が緩和されることが期待できます。書字障害や算数障害については、まだ明確な診断基準がないのが現状です。

親の支援も大切で、やればできると考えて、過大な負荷をかけがちとなります。ただ頑張ればよいというものではなく、専門家の意見を参考にしながら、家族で明るく、楽しく、元気よく、その子に合った工夫をすることが大切になります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕