学びの伴歩34 ウェルビーイングの共創

健康を維持するには、これまで続けてきたことを、さらに続けていくことが望まれます。それで維持はできるでしょうし、維持するためのことを長く続けることによって、健康が増進されることも期待されます。

では、長く続けていれば必ず期待する成果、今の時代でいえば“健康長寿”が得られるかというと、そうとは限りません。実践は考え方があって行われることによって、結果に結びついていきます。

その考えの基本とされるのが「ウェルビーイング」です。ウェルビーイング(Well-being)は、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態を指しています。

この言葉を耳にすると、なんだか新しい考え方を聞かされているような感覚になるかもしれませんが、実は以前から存在していました。そして、健康関連の業種の方々には普通に共通する考え方でした。

ウェルビーイングはWHO(世界保健機関)が掲げていることですが、それがWHO憲章の中で「健康の定義」として提唱されたのは、設立時(1946年)のことです。今から約80年前のこと、第二次世界大戦が終わった翌年のことなのです。

そして、WHO憲章の「健康の定義」には、以下のように書かれています。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態になることをいう」

そういったことから、ウェルビーイングは「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、環境的な状況によって決定される」と表現されています。

ウェルビーイングを実現するためには、誰か一人だけ、一種類の職種(例えば医師とか)だけが主導するようなものではなくて、多くの人が集い、それぞれの専門分野を活かして行動すること、さらに互いが学び合う共創が必要になるということが言えます。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕