日々修行310 “逆”の発想 その1

今回のお題は「逆転の発想」ではなくて、「逆の発想」です。

ピンチをチャンスにする人がいる一方で、せっかくのチャンスをピンチにする人がいるというのは、よく話題にされることですが、私にとってのピンチは両手が自由に使えなくなったことです。

自由に使えないの“自由”というのは、人によってイメージが違っていて、日常生活が送れれば時間がかかっても自由と感じる人もいます。年齢相応の動きができれば、これは自由であるという発想で、これは通常の感覚と合致しているようです。

それに対して、ある程度のレベルを求める人にとっては、そのレベルに達するまでの状態が少しでも低下することは自由とは言えなくなります。
私の場合の自由と不自由については、これまでも(主には日々修行307〜309)書いてきました。それ以外にも、他のテーマに“紛れ込ませて”実は何度も書いてきました。

それを全部、見てくれた方から、「徐々に悪くなっているではないか」「もう連載コラムは止めることを暗に言っているのか」という問い合わせもありました。

指の使いすぎで腱鞘炎になり、指から手首、肘、腕全体、そして肩へと痛みが拡がっていくというのは、よくあることです。

私の場合はワープロから始まってパソコンのキーボードの打ち込みが長く続いたのですが、左指から痛みが出て、右手のほうは指ではなくて手首に痛みが出ました。その状態で40年近くキーボードに向かって文章作成をしてきたので、治ることはなくても仕事ができないということはありませんでした。

それが急に左手は手首から肘までが“自由に”使えなくなり、右指でパソコン作業をする、右指を中心にして左指を少しだけ使うという、パソコンの使い始めに見られるような使い方をしてきたために、今度は右手が手首だけでなく指も痛むようになりました(特に痛みがあるのは人差し指と中指)。

通常であれば右手を使っていれば、負担が減った左手の痛みは軽くなるということのはずなのに、左手の痛みに変わりはない、つまり使っても使わなくても痛みは続くという状態になりました。

痛みは固定されたものではなくて、右側の痛みが弱まってくると左側が痛むようになる、その逆のことが起こるということで、両手を使う時間が短くなりました。そのために筋肉が弱くなる、その結果として負担が強くなって痛みが強くなるという“腕のフレイル”のような悪循環に陥っています。

このような状態の根本原因は頸椎(4番と5番)の間の椎間板がつぶれていて、手首から指までつながる神経を圧迫しているからで、治しようがないというのが今の結論(らしきこと)です。

そんな中で何ができるか、どんな仕事をすればよいのか、どのような方法が残されているのか、それを考えていくしかない、というのが今できる対応です。この文章は音声文字変換ソフトと、AI(人工知能)が使えているので、数的にはこなせています。

しかし、どんなにAIが発展しても、言いたいことの全部を文章にして残すというのは、まだ実現できないようです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕