食事摂取基準57 エネルギー必要量の推定方法5

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から基礎代謝量と身体活動量を用いた推定方法の身体活動レベル(カテゴリー)を紹介します。

〔身体活動レベル(カテゴリー)〕
実測された身体活動レベルの報告を用いて、身体活動レベルを「低い」「ふつう」「高い」の3群の身体活動レベル(カテゴリー)を設定して、成人、高齢者、小児に分けて身体活動レベル基準値を定めています。

身体活動レベル(カテゴリー)が「高い」の人を、それ以外の身体活動レベル(カテゴリー)の者から分けることは可能ですが、身体活動レベル(カテゴリー)は「ふつう」の人と「低い」の人を分別することは難しいとの報告があります。

また、労働形態を中心に身体活動の種類を定性的に記して、代表的な身体活動レベルと、それに与える試みも行われています。いずれにしても、身体活動レベル(カテゴリー)を用いる場合は、その測定精度の問題の存在と存在しうる誤差(誤分類)の可能性に十分に留意しなければなりません。

◎成人
健康な日本人の成人(20〜59歳、150人)で測定したエネルギー消費量と推定基礎代謝量から求めた身体活動レベルを用いて身体活動レベル基準値を定めています。

すなわち、男女それぞれの身体活動レベルから全体の身体活動レベルを求めると、1.72±0.26となり、「ふつう」に相当する63人では1.74±0.26でした(いずれも平均値±標準偏差)。

これを基に、身体活動レベル(カテゴリー)の「低い」「ふつう」「高い」の身体活動レベル基準値(およその範囲)は、それぞれ1.50(1.40〜1.60)、1.75(1.60〜1.90)、2.00(1.90〜2.20)としています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕