微表情を読んで、分析する能力は決して喜ばれるものではない、ということを前回(日々修行314)、自分自身の環境と経験も踏まえて書かせてもらいました。それが微表情分析を封印することにもなっていきました。
微表情分析の研究はアメリカで始まり、日本でも複数の研究者が存在しています。心の中が表情に現れるのは表情筋と脳神経の関係から説明されています。
顔の表情筋は30種類ほどあるといわれます。表情筋の数は誰しも変わらないとしても、主に使われている表情筋の数には個人差があって、すべての表情筋が使われていたとしても、100%の稼働があるわけでもありません。
表情筋は感情を司る脳の神経と密接に関係していることから、感情は表情に現れやすくなっています。嬉しい気持ちのときには嬉しい表情になり、嬉しい表情をすることで脳も嬉しい気持ちになっていくという説明がされています。
笑顔は子どもの特徴的な表情で、一般的には1日に400回は笑っているといいます。それに対して、大人の平均は15回ほどです。それだけ笑わなくなる、笑えるような気持ちにはならないということではなくて、笑えるような感情の動きがあっても、それを笑顔と認識できるような表情をしなくなるということが言えそうです。
笑える条件が整えられていても、そういった条件にあることを忘れてしまっていると、笑うことができなくなります。これは脳には忘れる能力があり、これが高まってくると、だんだんと笑えなくなってきます。
そのときには、複雑な表情を作り出すことができる表情筋が充分には働かなくなり、笑顔だけでなく、さまざまな表情を豊かに出すことが徐々にできなくなっていく恐れがあります。
表情筋も筋肉であるので、普段から使わないと徐々に衰えていくこともあり、逆に言うと表情筋を積極的に使うことで、つまり感情を表に出すようにすることで、表情が豊かになっていくということです。
子どもは周りの人の表情の変化を見て、感情を表していくとともに、自分の感情の変化に対して周りの人が、どんな表情をするのかを経験しながら成長していきます。ところが、コロナ禍が続く中で、このトレーニングができなかったために、子どもが表情を表さなくなっていると指摘されています。
中には表情筋を、あえて使わないようにして、感情を表に出さないようにしている人もいます。表情から感情、脳の変化を読まれないようにしたいとの思いから、感情が表に出ないように、感情が表に出るようなことを忘れるように心がけている人もいるのです。
しかし、表情筋は感情の変化があると必ず特徴的な動き方をするので、微表情の特性を知ることによって隠されている真実を知ることができるようにもなるのです。
こういった総論的なことから、微表情分析では何を読んでいるのかというと、基本となるのは喜び、悲しみ 怒り、驚き、恐れ、嫌悪、軽蔑の7つです。
仕事にも人間関係の構築・別離にも役立てることができる微表情分析を、岡山に移住してからは封印していました。そして、解除することになるのですが、そのことについては次回(日々修行316)、説明させてもらいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕