「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から推定エネルギー必要量の信頼性を紹介します。
〔推定エネルギー必要量の信頼性〕
活用に当たって注意すべき点について、推定エネルギー必要量の信頼性、体格の影響、個人間差、疾患を有する者、の4点からまとめています。
どの推定方法を用いても真値を正しく推定できるものではありません。今回の食事摂取基準が示す推定エネルギー必要量も同じ限界を有しています。
そこで、成人(18歳または19歳以上)について、3種類の方法でエネルギー必要量を推定して、比較しています。3種類とは、(1)今回の食事摂取基準で用いた推定エネルギー必要量、(2)国立健康・栄養研究所の式に参照身長、参照体重、年齢、性別(カテゴリー)を代入して、身体活動レベル「ふつう」を乗じた値、(3)アメリカ・カナダの食事摂取基準で紹介された推定式に参照身長、参照体重、年齢を代入した値(身体活動レベルにはアメリカ・カナダの食事摂取基準で紹介された「活動的(ふつう)」を用いた)です。
その結果、3者の値には、100〜200kcal程度の差が観察されました。それが正しいかを考えるのではなく、推定式には100〜200kcal程度の誤差があり得るものであると理解すべきです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






