全身には60兆個以上の細胞があるとされています。この説は長らく続いてきたのですが、今では37兆個以上という説が有力になりつつあります。実際の数は、どうであっても細胞でエネルギーが作り出されるメカニズムに変わりはありません。
細胞はエネルギー源を取り入れて、エネルギー代謝を行って、生命維持のためのエネルギーを作り出しています。
細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中だけで使われます。そのエネルギーが、電気のように他の細胞に流れていって使われることはありません。
神経伝達は一つの神経細胞から隣の神経細胞に伝わって、全身に情報が伝達されています。この場合もエネルギーが電気のように流れているのではなくて、神経細胞の端から神経伝達物質が出て、これを次の神経細胞が受け取って情報を伝えています。
エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質ですが、たんぱく質は身体を構成する重要な成分であるので、エネルギー源として使われないほうがよいわけです。
糖質と脂質は細胞の中のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに取り込まれて、この中にあるTCA回路でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。
糖質はブドウ糖に分解されたあとミトコンドリアに入ってアセチルCoAという高エネルギー化合物に変化しますが、そのときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要になります。
脂質から脂肪酸に分解されるときにはビオチンが必要になり、脂肪酸からアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。このように水溶性のビタミンB群が充分にあることで、代謝の前段階が整えられるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕