日々修行337 地方創生2.0と日本版CCRC

「地方創生」というキーワードを聞くと、これまでのイメージ通りの発想をする人が多いのですが、同じ言葉であっても「地方創生2.0」となると、まったく違ったものと意識しないと、これからの時代に対応できなくなります。

それだけに、わかりやすく、受け入れて実践で活かしてもらいたいとは思うのですが、非常にわかりにくい状態で発表されてしまいました。

私が地方創生に深く関わったのは10年ほど前のことで、そのときには事前の準備が行き届いていて、徐々に浸透していったところで重要な施策が発表されました。

ところが、今回は重要な部分が先に“ポン”と出されて、あまりの唐突さのために、慌てて調べて、「地方創生2.0」のことだったのかと気づいたという人も少なくありません。

それだけに、その後に出てくる情報も肝心な部分が欠けていたり、余分なことが加えられていたりと錯綜状態にあるようにみえてしまいます。
「地方創生2.0」のことは、この日々修行の連載コラムは366回(2025年8月31日)を目標としているので、それまでに書くことはないだろうとは思っていました。

それが早く出すことになったのは、参議院議員選挙の事前の予測(与党にとっては厳しい状況)があったことで、6月13日に閣議決定されて、重要な施策である「高齢者向けシェアハウス」が7月12日にメディア報道されました。

このことを連載コラムで8月1日から出すことになったのは、“裏をとる”作業に時間がかかってしまったからです。

その報道の中には“日本版CCRC”という見慣れない(これまで見たことも聞いたこともない)用語があって、ますます理解しにくい状態にもなってしまいました。

高齢者向けシェアハウスと日本版CCRCの、どちらを先に書くか迷ったこともあるのですが、この連載コラムは全部を読んでもらえることを想定しているので(そのようなことは実際にないことは承知しているものの)、日本版CCRCのことから書くことにしました。

日本版CCRCは、6月13日に閣議決定された『骨太の方針2025』(経済財政運営と改革の基本方針2025)において、「日本版CCRC2.0の全面展開」が明記されたことで知られるようになりました(といっても関係者以外では極めて少数でしかなかったのですが)。

また、同日に閣議決定された『地方創生2.0基本構想』で、「小規模であっても年齢や障がいの有無を問わず、様々な人々が集い、それぞれが持つ能力を希望に応じて発揮し、生きがいを持って暮らすことができる場として、小規模・地域共生ホーム型CCRCを3年後に全国で100の展開を目指す」と明記されました。

これを見て、日本版CCRCとは何かと気になった人が相次いだようで、インターネットの検索キーワードとして一気に増えていきました。
日本版CCRCについては次回(日々修行338)に続きます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕