「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から健康の保持と欠乏の回避の「推定平均必要量、推奨量の策定方法」について紹介します。
◎推定平均必要量、推奨量の策定方法
〔基本的な考え方〕
たんぱく質の必要量(推定平均必要量)は、「(推定平均必要量)=(維持必要量)+(新生組織蓄積量※小児と妊婦のみ)」と表されます。
また、推奨量は「(推奨量)=(推定平均必要量)×(推奨量算定係数)と表されます。
〔推定平均必要量〕
*維持必要量・良質な動物性たんぱく質に置ける維持必要量
アメリカ・カナダの食事摂取基準では19歳以上のすべての年齢区分において男女ともにたんぱく質維持必要量(平均値)を0.66g/kg 体重/日としており、2007年に発表されたFAO/WHO/UNUによるたんぱく質必要量に関する報告でも同じ値を全年齢におけるたんぱく質維持必要量として用いています。
また、ほぼ同様の値を用いて、イギリスはNRIを、オーストラリアはRDIを定めています。さらに、メタ・アナリシスでも、成人で0.66g/kg 体重/日、小児で0.67g/kg 体重/日と報告されています。
以上により、1歳以上のすべての年齢区分に対して男女ともに、たんぱく質維持必要量を0.66g/kg 体重/日とすることとしました。
ただし、窒素出納法は良質な動物性たんぱく質で行われ、その利用効率(消化率)は100%と見積られます。したがって、この維持必要量は、良質な動物性たんぱく質における維持必要量であることに留意が必要です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






