学びの伴歩40 自分で選んだことのモチベーション

積極的に学びたいと思って席についた人と、他に選ぶべきことがないので仕方なく選んだという人では、学ぶ姿勢も、理解度も、学んだことによる結果も違ってきます。

積極的に選んだわけではないとしても、与えられた選択肢の中から自らの判断で選んだということは、それでも能動的に動いているので、嫌々ながら聞いているのとは違う結果となります(なるはず?)。

自分で選ぶというのは、選んだからには責任感(とまでは言わないことも?)があり、話を聞いて、噛み砕いて自分の糧(かて)にしようという気持ちの高まりは期待できます。

そのような気持ちにすること、するように努力することは、学びたいと思っている人に寄り添う伴歩(ばんぽ)者には大切なこととされています。
学んでよかった、この方の話が聞けてよかった、そういう場に巡り会えてよかったという心理的なエネルギーは重要で、これはモチベーションと表現されます。

学ぶことに特に困難さがない人であったら、モチベーションを高める工夫や努力は必要ないということもあるのでしょうが、理解度の違い、漢字の読解力、もっと言うと基礎教育が受けられていない人が多く集っている場では、伴歩する人も困難さを感じることになります。

その困難さをスムーズにさせるのがモチベーションの高まりであって、「自分で選んだことだから」と一生懸命に聞こうとする態度、教室なりの雰囲気(学ぶ気運)を高めていくことにもなります。

このモチベーションは講習を実施する際の重要なキーワードであるのに、通り一遍の方法で、それこそ“絵に描いたモチベーション”で終わっていることも、何回か目にしてきたことです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕