学ぶ人に寄り添って、一緒の歩んでいこうとするときに、空回りしていると感じさせられることがあります。それは教えるべきことを強く意識しているために、学ぶ側の都合や感覚に合わなくなってしまうというシチュエーションです。
これだけは知っておいてほしい、覚えておいてほしいという気持ちが強すぎると、ついつい押しつけにもなりがちです。
一生懸命に聞きたい、学びたいという気持ちがあっても、知りたいことと違っていたり、知りたいことと合致していても関心を抱きにくい内容、表現、話し方であると、すんなりと受け入れることができなくなります。
そのように感じている場合には、テキストの流れや一般的な教える順番、過去の常識に囚われることなく、柔軟に対応することが求められます。
知りたいことは積極的になれるのに対して、そうでもないことは消極的とは言わないものの、知識として届きにくいのは事実です。
では、具体的には、どのようにするかということですが、その方法として用いているのは、リクエストを受け付けて、聞きたいこと、知りたいことを話すということです。
リクエストといっても、選択肢を狭めると、実際には選んでいるのか選ばされているのかわからないことになりかねないので、自由に言ってもらうようにする、自由に言えるような体制にする、自由に言ってもらえる雰囲気にする、と言ったことが大切になります。
学びの伴歩が特に期待されるのは、学ぶことに困難さを抱えている人への対応で、その困難さを理解していないと、リクエストに応えたつもりでも、実は対応できていないということも起こります。
ここにあげたことを気づかっていても、その場でリクエストを受ける形にすると、本当のリクエストにならないことも多々あります。
初めはリクエストを受け入れることを伝えるだけ、次の機会にリクエストを受け入れる、そのリクエストの通りに1回やってみて、学ぶ人に聞いてみるということも大切な手順となります。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕