学びの伴歩43 AIの伴歩

寄り添って、伴歩してくれる人がいない段階のこと、言葉の意味がわからないときにはネット上の辞書が多いに役立った時代がありました。ネット辞書は紙(書籍など)の既存の辞書をベースにしていたので、これまで引いてきたものと内容が異なることはありませんでした。

ところが、AI(人工知能)の時代になって、ネット検索でも、まだ試用段階であるとはいっても、相当の回答ができるようになっています。これまでの画一的な内容ではなくて、知りたいと思っていることが先取りで載せられているので便利は便利です。

とはいえ、まだテストケースの範囲を出ていないので、わざと回答を出しにくい、間違うであろう用語や言葉をAI検索してみると、見事に(期待したとおりの)間違った回答をしてくれます。

私が以前に属していた作家団体は、似たような名称の団体があって、メディアでも間違われることがあるので、どんな感じで表示されるのかとオープン(試行)ネット検索をしてみたら、案の定で別の団体の説明文が出てきます。

こんな状態のAIを頼りにして、間違った内容を、そのまま使った記事や原稿が出てきているので、それを見抜いて、AIに騙されないだけの見識が(本質を見抜く判断力)求められます。

その見識を持った人が伴歩をしないと間違いのまま伝えられることにもなるので、もっとAIにも見識を高めてもらうことが必要で、それをするのは人間です。

AIへの返答を求めると、まだまだ稚拙であったり、間違いが多いので、それではダメだと諦めるのは簡単なことですが、それではAIは成長してくれません。頭はよいけれど、飲み込みが悪い人に対して、諦めずに付き合っていくと、だんだんと理解して使いやすいように変わってくるということは他のシーンでも経験していることです。

それと同じように、私たちがAIと、AIが導き出した内容に根気よく付き合っていくことで、もっともっと能力を発揮させることができるようになる、という感覚で伴歩していくことが必要である時代になっているのです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕