ネット検索で「手が負えない」と打ち込むと、自分の力では扱いきれない、手に余るという意味が表示されることがあります。中でもAIの検索で多くみられることですが、従来の検索であれば誤用、間違いと表示されて、その後に正しい言葉が表示されるのが普通のことでした。
これがAIは、まだまだ使えないと言われる要因にもなっているのですが、もっと困ったことにAIが自らの能力のなさ(?)を誤魔化す(体裁を整える)ために「慣用的に」という表現を多用しがちです。
これは便利な言葉で、最近ではAIだけでなく、従来からの検索サイトも使われる機会が増えてきています。
「慣用的」というのは、世間一般に広く使われていたり、部分的には事実として用いられている状態を表す言葉です。そのようなことはよくないのではないか、という考えから連載コラムの「言い間違い」を始めたところがあります。
「手が負えない」も、慣用的な言葉として説明されていますが、正しい使い方は「手に負えない」で、その意味は初めに書いた「自分の力では扱いきれない、手に余る」です。慣用的と表現しながら誤った情報を伝えているというわけです。
間違いだと声を大にして言ってはいるのですが、なかなか理解してもらえなくて、まさに手に余るような状態となっていると感じています。
ちなみに「声を大にして」は大声で言うということではなくて、強く主張するという意味ですが、これも間違って使われている言葉の一つです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕