食のリテラシー32 水溶性食物繊維の摂りすぎ

食物繊維のうち、不溶性食物繊維は腸壁を刺激して腸の蠕動運動を促進して便通がよくなるようにしてくれます。もう一つの水溶性食物繊維は便を軟らかくして便通をよくする作用があります。

両方の食物繊維に有効性があるので、ともに多く摂取することがすすめられているのですが、不溶性食物繊維は多く摂りすぎると便を硬くする作用があるため、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが大切であると説明されています。

どちらを多く摂るべきかは、それぞれの人によって異なるところがあるものの、一般には水溶性食物繊維が不足しがちであるので、水溶性食物繊維を多めに摂ることが考えられるようです。

不溶性食物繊維は胃と腸の中で変化をしない特徴があり、野菜の葉や根菜類、穀類(中でも玄米や胚芽米)に多く含まれています。

水溶性食物繊維は水分を吸って膨らむ性質があり、海藻、きのこ、果物に多く含まれています。果物の水溶性食物繊維はペクチンといって、ジャムになる部分です。

水溶性食物繊維にはコンニャクもリストにあげられることがあるのですが、それはコンニャク粉の状態のもので、凝固剤を使って固めたものは不溶性食物繊維の性質になります。そこで勘違いされないように、水溶性食物繊維には加えないようにしています。

水溶性食物繊維は摂る機会が少ないので、多めに摂取することが必要と考える人が多いのですが、軟便や下痢ぎみの人は水溶性食物繊維を多く摂ると、便が軟らかくなりすぎたり、下痢の状態を悪化させることにもなります。

水溶性食物繊維は多く摂ればよいというわけではないので、適度な量にしておいて、腸の状態をみながら徐々に増やしていくのが正しい方法といえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕