「死ぬに死ねない」と言われると、死にたいのに死ぬことができないという意味になってしまいます。そんなにも死にたいのか、死にたいと思うくらいの苦しいことが今も続いているのかということを感じてしまいます。
「死ぬに死ねない」をネット検索すると、「この世の人生に、まだやるべきことがある」「悔いがあること」といった説明文が出てきます。
しかし、これを同じネット検索であっても、有名な辞書のサイトに入って見てみると、誤用だと切り捨てられています。そして、「死んでも死にきれない」が正しい使い方であることが表示されます。
そこで先ほどの「この世の人生に、まだやるべきことがある」「悔いがあること」の意味から逆引きしてみると、「死んでも死にきれない」が表示されます。
ネット検索では間違いと正しい使われ方の両方が出てくる状態だということです。
「死んでも死にきれない」は、たとえ死んだとしても残される未練であって、その未練を断ち切れないほど悔しい思いをしたことを指しています。
これを引き合いに出して、危機的状況を乗り切るために「死んでも死にきれないというつもりでやらなければならない」と言ったのは松下幸之助さんです。これは松下語録にも載っています。
失敗したときに責任転嫁をする気持ちがあると、うまくいかない、だから「死んでも死にきれない」という気持ちでの行動が大切であると説いているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕