「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中からn–3系脂肪酸の「目安量の策定」を紹介します。
〔目安量の策定〕
*成人・高齢者・小児(目安量)
平成30年・令和元年国民健康・栄養調査から算出されたn–3系脂肪酸摂取量の中央値を1歳以上の目安量(必須脂肪酸としての量:g/日)としました。なお、必要に応じて前後の年齢区分における値を参考にして値の平滑化を行いました。
*乳児(目安量)
母乳は、乳児にとって理想的な栄養源と考え、母乳脂質成分と基準哺乳量(0.78L/日)から目安量を設定しました。0〜5か月の乳児は母乳(または乳児用調整乳)から栄養を得ていますが、6か月頃の乳児は離乳食への切り替えが始まる時期であり、6〜11か月の乳児は母乳(または乳児用調整乳)と離乳食の両方から栄養を得ています。
この時期は乳児への移行期と考えて、0〜5か月の乳児の目安量と1〜2歳児の目安量(中央値)の中間値を用いました。
0〜5か月児の目安量は、母乳中のn–3系脂肪酸濃度(1.16g/L)に基準哺乳量(0.78L/日)を乗じて求めました。
「n–3系脂肪酸:目安量(g/日)=1.16g/L×0.78L/日=0.9g/日」
6〜11か月児の場合は、0〜5か月児の目安量と1〜2歳児の平成30年・令和元年国民健康・栄養調査の摂取量の中央値(男女平均)の中間値として、以下のように求めました。
「n–3系脂肪酸:目安量(g/日)=〔09+(07+07)/2)〕/2=08g/日」
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕