金言の真理13「情けは人の為ならず」2

「情けは人の為ならず」は、他人のためではなくて、自分のためになるという正しい使い方をしたいものだ、ということで前回(金言の真理12)は終わりました。

それを受けて、今回は「情けは他人のためだけではない、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にも親切にせよ」という本来の意味について、それでよいのだろうかという話をしていきます。

そのような疑問が浮かんでくるところが、これも前回紹介した文化庁の「国語に関する世論調査」で、正しい理解(人に情けをかけておくと、巡り巡って結局は自分のためになる)をしている人が47.2%、誤用(人のために情けをかけて助けてやることは結局は、その人のためにならない)している人が48.2%と、誤用のほうが上回っているという微妙な差となっています。

調査時期や調査対象によっては、結果がひっくり返っていくのは容易に想像がつくところです。調査のたびに結果が違っているのは印象がよくないということではないとは思うのですが、文化庁の「情けは人の為ならず」の調査は1回だけでした。

情けをかけることが結局は自分のためになるとはいっても、情けをかけられた人が情けだと思っていない、かえって迷惑(ありがた迷惑)と感じているという人が多くなってきた時代には“情けのリターン”を期待するのは難しくなっています。

情けまではいかなくて、小さな親切であっても余計なことと感じるコミュニケーション遮断をする人がいます。そんな人から言われたことで、今でも鮮明に記憶に残っているのは「小さな親切、大きなお世話」です。なかなか、うまいことを言っているな、とは思うものの、言われたときはショックでした。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕