「見かけ倒れ」という言葉は以前であれば、あまり聞くことはなかったのですが、メディア(中でもテレビのバラエティ番組)で聞かれるようになり、その影響を受けてか、徐々に広まっています。
「見かけ倒れ」の意味として、表向きの評判と内容が合っていないことが説明されていますが、この表現が合っているのか、という話です。
逆引き辞典というものがあって、これは言葉から意味を知るのではなくて、その逆で意味から元々の言葉を探していくものです。以前であれば、紙の辞典であったので、言葉の意味を探すのも大変だったところが、今ではネット検索でも逆引きができます。
言葉の全部ではなくて、一部からも検索できる時代になっているものの、これが間違いを広める要因にもなっています。
「見かけ倒れ」を「外見は立派だが、実質が劣っていること」や「言っていることは正論に聞こえるが、実際には正論ではない」という意味で使っている人が増えているのは、そのような人が実際に増えているからです。
「見かけ倒れ」は誤用で、正しい使い方は「見かけ倒し」です。これは“倒れ”と“倒し”が極めて似ていることから勘違いされたというよりも、「かけ声倒れ」との混同と考えられています。
「かけ声倒れ」は、勢いよく始めたことが期待外れで終わってしまうことを指していて、やはり該当するような人が増えています。「かけ声倒れ」には「表向きの評判と内容が合っていないこと」という意味もあって、これは「見かけ倒し」と意味が重なって(一緒になって)います。
「かけ声倒れ」と「見かけ倒し」が混同して、「見かけ倒れ」となったというのが公式の意見です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕