食事摂取基準114 食事性コレステロール1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から食事性コレステロールの「基本的事項」「摂取状況」を紹介します。

〔基本的事項〕
コレステロールは、ステロイド骨格と炭化水素側鎖を持つ両親媒性の分子です。

体内で合成ができて、経口摂取されるコレステロール(食事性コレステロール)は体内で作られるコレステロールのおよそ1/3〜1/7となっています。

また、コレステロールを多く摂取すると肝臓でのコレステロールは減少して、摂取量が少なくなるとコレステロール合成が増加するフィードバック機構が働きます。

このため、コレステロール摂取量と血中コレステロール値との間には関連はあるものの、体内で合成されるコレステロールは胆汁や細胞構成成分として複合的に利用され、排泄される量で調整も行われています。

これらのことから、コレステロールは必須栄養素ではありません。

〔摂取状況〕
平成30年・令和元年国民健康・栄養調査における日本人成人(18歳以上)の摂取量の中央値は、370mg/日(男性)、321mg/日(女性)です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕