金言の真理19「心が折れる」1

金言は古くから使われてきた言葉であったり、歴史的な著名人の言葉であることが多いのですが、ここで取り上げる「心が折れる」は比較的新しくて、この言葉を初めて使った人も現役として健在です。

新しい金言は、辞書に載ることは少なくて、ピックアップされても「新語・流行語大賞」くらいなのですが、この「心が折れる」は辞書に掲載されています。その意味として「心の支えを失い、意欲がなくなる」「障害にぶつかって挫ける」と説明されています。

この起源(発祥)となったのは女子プロレスラーの神取忍が1990年に発言した言葉が「相手の心を折る」です。

そのきっかけは今もって伝説の試合と称される1987年7月18日のジャパン女子プロレスの最後の興行でのこと。神取しのぶ(当時は本名を名乗っていた)とジャッキー佐藤の一戦について後に、神取さんが関節技での勝利を振り返って言った言葉です。

関節技が決まると痛みに我慢ができなくなり、限界に達したらタップして「参った」をします。腕が折れる前に、相手の心を折るという発言でした。

壮絶なケンカマッチとなり、腕の骨を折ることはできたが、選手生命を奪うようなことはできないからと、関節技で精神的なダメージを与える「心を折る」選択をしたということです。

柔道の世界選手権3位、全日本選抜体重別選手権3連覇の実績があり、後に男性レスラー顔負けの圧倒的な強さで、「ミスター女子プロレス」「女の中の男」と称された神取さんですが、この「相手の心を折る」という話は本人から直接聞きました。

それは2004年の参議院議員選挙に出馬(比例区、自民党公認)したときにPR戦略チームに加わったときのことです。次点で落選したのですが、2006年に参議院議員の竹中平蔵氏が辞職したことによって繰り上げ就任となりました。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕